漫画「ファイブスター物語」に魅了された人生
私を魅了して人生を有意義なものにした漫画は永野護原作の「ファイブスター物語」という作品。
当時プラモデルを作っていて、その模型雑誌の広告ページに、ガレージキットでできたロボットが載っていた。
たぶん見たのはそれが始めてだったと思う。
最初はそんなに格好良く見えなかったから気にしてなかったが、何回か見かけているうちに、あの緻密なデザインに惹かれていった。
そのうちアニメ雑誌に連載されていることを知り、どういう内容なのか書店で立ち読みする気になったら、その当時では珍しくコミックがビニールに包まれており内容を確認することが出来なかった。
アニメ雑誌に連載されてるのを見に行こうとしたが途中の話を読んでもしょうがないと思いやめてしまった。
当時は2巻まで発売されており、1巻だけ買って帰るかそのまま諦めて帰るか迷ったが、何故か余裕があったのか2巻まとめて買ってしまった。
この冒険が無かったらたぶん、この作品には出会えてなかっただろう。
急いで家に帰り被っていたビニールを破いてワクワクしながら読みはじめた、がその絵は当時の少年誌には見かけなかった薄いタッチで取っつきにくく、内容も主人公の神様と人工生命体のヒロインのラブストーリー。
何より新鮮だったが、主人公を脅かす敵がいないのががっかりした。
続きの2巻めは読まずにしばらくそのままになっていた。
私の中には損な買い物をしたことで頭がいっぱいになり、もう二度と内容が判らない漫画は買わないと誓った。
ある日、暇だったのでほったらかしにしてあった2巻に手をかけ読み始めた。
ここからは本当の主人公はあまり活躍しなくなり、寿命のある人間たちと不遇の人工生命体とのドラマとなる。
面白いのは急にどこの時代設定になっているか分からなくなり読み進めているとちゃんと戻ってこれるという、ここどこ、と言うのがなんどもあった。
話が進めば進むほど面白くなっていき、いつの間にか虜になっていた。
あまりにおもしろいので仲の良かった友人4人に進めてみたが2人は絵が取っつきにくいなどといって読んでもくれなかったが、後の2人はこれ以上面白い漫画はないと絶賛してくれた。
その頃だったか初巻の話が映画化されたが、私は一度見たきりだった。
何人かの知人にその漫画を知っているかたずねたが誰も知っている人はいなかった。
いつしか誰も知らない漫画が自分と少数の人間しか知らないと言う優越感に浸るようになる。
コミックは12巻まではなんとか出版されていたが、作者が映画を作るとか何とかでそれから約10年も連載がストップしてしまった。
私は暗黒の10年を過ごすことになる。
10年後連載がスタートしたと聞いたときは嬉しかった、がなんか違う。
なんとロボットの名前とデザインが全く違うものになってしまった。
でも話は10年前の続きで、読んでいる内にすぐなれてしまったが、まったくとんでもないことをしてくれる。
今までの読者はどう感じたのか、私のようにすぐになれてくれればいいが、ここで離脱する読者もいると聞いて少しガッカリしてしまった。
今が1番面白いのに。
映画ゴティックメードも見てみたいがまだまだ連載を続けていってほしい。