太くて長い生き物に遭遇して海釣りが少し怖くなった
海釣りにハマってから何カ月か過ぎた夏の終わり頃だった気がする。
私は3人の師匠の内の1人に、いろんな事を教えてもらいながら漁港内で海釣りを楽しんでいた。
夕まずめも過ぎ辺りは暗くなってきて、漁港内の電灯だけが海面を照らしていた。
そろそろ帰ろうかと思っていた矢先、一緒にいた師匠が叫んだ。
「イソメの親玉だ!」
私はびっくりして指差す方向を見てみると、
白っぽい全長1メートルくらいの生き物が浮かんでいた。
ゆっくりだがウニョウニョと動いている。
私は見てはいけないものを見た感じがして、背筋が凍り付いた。
普通のイソメさえ苦手なのに、あの生き物に巻き付かれたらたぶん私は昇天するだろう。
一緒にいた師匠は何度か見たことがあるみたいで、とんでもない事を言い始めた。
「あいつをエサにしたら大物が釣れる!」
冗談にもほどがある、正気の沙汰じゃないと思いながらも一緒にいた師匠はそういうのは平気なタイプなので私は早々に切り上げて帰途についた。(捕獲はしなかったらしい)
帰り道あの生き物の姿が頭から離れず、だんだん海が怖くなってきた。
家に帰ってから正気に戻りある疑問が湧いてきた。
まさか天然のイソメはあそこまで大きくなるのだろうか? それにあの白っぽい色。
困った時はネットで検索。
しかし出てこない、イソメではないまた別の生き物かもしれない。
イソメの画像をずっと見てたら気分が悪くなり、調べるのを断念した。(もういい)
あれから見たことが無い。(もういい)
いや見たくないので夜になったら帰る事にしている。
誰もいない漁港は…。
違う意見
別の師匠にそのエピソードを話したところ、そんな生き物は見たことが無いと言っていた。
謎は深まる…。
別の師匠は“海サボテン”じゃないかと言っていたのでさっそく検索。
出てきたものはなんとなく似ているが、これもまた気持ち悪い。
もっと足のようなものがはっきり見えたような気がする。
脳裏に残っているのは白っぽく発光するムカデ。(1m)
ハマってから覚えた用語⑤
【のっこみ】
魚が産卵の為に海の深い場所から浅い場所に移動してくる時期のこと。
釣れれば何でもいいと思っていたので、まったく気にしていなかったが師匠達は情報と経験を駆使して、その時期に釣れる魚を狙っている。